こんにちは。柏の葉税理士事務所の徳田大輔です。
本稿では、次の本を題材に、「傾聴」について考えました。
中村淳彦「悪魔の傾聴」(2022年、飛鳥新社)
・本の概要
・著者の傾聴方法
・自分の行動を省みる
1) 本の概要
著者は私とほぼ同い年のノンフィクション作家です。性風俗産業や介護業界に関する本を多数執筆されています。
本書は、著者の取材相手から話を聞き出す技術や心構えを体系的にまとめたものです。
2) 著者の傾聴方法
著者は冒頭、「人と会話するあらゆる場面で絶対にやってはいけないこと」として、「否定する、比較する、自分の話をする」の3点を最重要項目に挙げています。
話を聴くときは、共通項をみつけようと雑談から始める必要はなく、すぐに本題に入ります。相手の語りのリズムを崩さないように、相槌を打ったり質問したりして、とにかく相手に喋ってもらいます。
聞き手としてのマインドセットも重要です。「相手に信頼されたい、気に入られたい、相手を助けたい」といった欲がたくさんあると、つい自分の意見を言ったり、感情移入し過ぎたりしてしまいます。そうすると、相手が心を閉ざしたり、遠慮したりして、話を全て引き出すことが出来なくなってしまいます。自分の話は最小限に留め、相手にたくさん語らせることでこそ、相手は心をひらき、信頼関係が形成されます。
3) 自分の行動を省みる
いやはや、反省しかありません。
税務顧問の月次訪問や確定申告相談会などの場面において、できるだけ丁寧に相手の話を聴こうと心掛けていましたが、ついつい自分の話をしてしまっていた気がします。どうしても、最後に「ひと言」コメントしないと、税務の専門家として格好がつかないような思い込みがあるのかも知れません。
自分の話をしたい衝動に駆られてもぐっとこらえて、本当に話すべきタイミングかどうかを冷静に判断したいと思う次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。