こんにちは。柏の葉税理士事務所の徳田大輔です。
本稿では、次の本を題材に、ビジネス会食について考えてみます。
yuuu(ユウ)「ビジネス会食 完全攻略マニュアル -すべての食事会を成功に導く最強の実務メソッド」(2024年、ダイヤモンド社)
1) 本の概要
著者は、noteやX(旧Twitter)で「会食メソッド」について発信するサラリーマンです(明記されてませんが、おそらく現在はスタートアップ企業の役員クラスではないかと推察します)。
大手広告代理店でうだつの上がらない新入社員だった著者が、周囲の助言・指導を受けて習得したビジネス会食スキルにより社内外との信頼関係を構築したエピソードを縦軸に、宴会幹事マニュアルを横軸にして、「絶対に失敗したくない会食を誰もが成功に導けるノウハウの集大成」を披露しています。
会場を下見する、お土産を用意するといったテクニックを提示するだけでなく、幹事(ホスト)には「相手への想像力と確固たる意志」が大切で、「『全員の記憶に残る芸術作品を作ってやる』くらいの気概で会食をデザインしよう」と説きます。
2) 私が注目した箇所
本書では、ビジネス会食を「会社の経費を使って開かれるもの」と定義づけして参加者が費用負担する飲み会と区別しています。よって、ゲストの食べ物の好みをリサーチして飲食店を選定する、飲食店に前もって挨拶に赴き会食の趣旨を説明する、ゲストの家庭事情に配慮したお土産を用意するなど、日常的な「飲み会」では過剰と思われる記載も多々見受けれられます。もちろん、会食の重要性や充当できる時間などを勘案して取捨選択すればよい訳ですが。
それはさて置いても、会食のビジネス上の目的を設定して上司と共有するとか、適切なタイミングでリマインドメールを送るとか、参加者情報を事前に共有するといった心構えは、ビジネス会食に限らず、心に留めておくべきポイントと思われます。
これらのポイントが重要と認識していても、定型フォーマットに落とし込み、日常的に実践している人は、決して多くないでしょう。「型」をもっていることの強みと凄みを、改めて感じさせられました。
3) 自分に当てはめてみる
私自身も含め、周りから宴会幹事の仕方について適切な指導を受ける機会に恵まれなかったビジネスパーソンは非常に多いと思われます。もしかしたら、私に聴く耳がついていなかっただけかも知れませんが。ともかく、とても勉強になる一冊です。新入社員の頃にこんな本と出会いたかったです。
「事前準備チェックリスト」や「手土産・プレゼントの価値を上げるストーリーアイデアリスト」などのツールが付いており、著者が開発した会食メソッドの「型」を入手できるのも嬉しいです。
私は、30代半ばに居酒屋の店員を経験したことで、幹事の役回りや面白さを知り、それ以来、できるだけ幹事を買ってでることにしています。地味な調整や連絡が多くて苦労することもありますが、参加者ひとりひとりとコミュニケーションをとって親近感が増したり、楽しい会の後は必ず労ってもらえたりと、リターンも大きいです。何より、自分がコーディネートした集まりで参加者が楽しんでくれていることに幸せを感じます。
本書を参考に、ますます幹事スキルを発展させていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。