事業者はGビズIDを取得しましょう。

事業経営

こんにちは。柏の葉税理士事務所の徳田大輔です。
GビズID」をご存じでしょうか?

一般にはまだあまり耳馴染みのない言葉かも知れませんが、事業者の方は法人・個人を問わず、知っておいた方が良さそうです。
 ・GビズIDの概要
 ・GビズIDはこんなことに使えます
 ・GビズIDの取得方法


1) GビズIDの概要
GビズIDは、「事業者向け共通認証システム」です。1つのID・パスワードで、複数の行政サービスにログインできます。

インターネットを利用して、時間や場所を選ばずに行政機関への申請や手続ができるのが、最大のメリットと言えるでしょう。管理すべきID・パスワードが1つで済むのも、使い勝手がよいです。

利用範囲はどんどん広がりますし、GビズIDがないと受けられない補助金などもありますから、早めに取得しておいて損はないようです。

2) GビズIDはこんなことに使えます
本稿執筆時点の経済産業省「ミラサポplus」ウェブサイトによると、次の案件について、サービスを受けられます。
 jGrants(経済産業省・補助金申請システム)
 IT導入補助金(経済産業省・中小企業庁・中小機構)
 事業継続力強化計画電子申請システム(中小企業庁)
 社会保険手続きの電子申請(日本年金機構)
 保安ネット(経済産業省)
 DX推進ポータル(経済産業省 独立行政法人情報処理推進機構)
 経営力向上計画申請プラットフォーム(経済産業省 ほか)
 農林水産省共通申請サービス(農林水産省)
 食品衛生申請等システム(厚生労働省)
 e-Gov(総務省)

これだけ羅列されてもピンかも知れませんが、最も身近なところでは、社会保険・労働保険の電子申請ができることが挙げられます。

従業員の入退職が発生したり、賞与を支給したり、固定的賃金を大幅に変動させたりすると、各種届出が必要であり、(社会保険労務士に委託しなければ)窓口持参郵送により書類を提出しなければなりません。しかし、GビズIDを取得しておけば、e-Govを利用して電子申請することができます(手続の種類によっては「電子証明書」(有料)が必要な場合があります)

最近の情報によると、法人のe-Tax(電子申告)についても、現状、利用者識別番号・暗証番号を入力し、電子証明書を併せて送信しているところ、令和8年度以降GビズIDで代替できるようになるようです。私見ですが、現在、e-Taxとは異なる利用者識別番号・暗証番号で管理しているeL-Tax(地方税ポータルシステム)とも統一が図られることが期待されます。

3) GビズIDの取得方法
個人事業主および法人代表者が取得するのは「GビズIDエントリー」または「GビズIDプライム」、法人社員(事務担当者など)が取得するのは「Gビズメンバー」です。以下、「メンバー」については割愛します。

エントリー」は、行政システムにログインできる機能しかありません。補助金申請など実質的な機能を発揮するには「プライム」が必要とみられます。

「プライム」をオンライン申請する場合は、メールアドレスパソコンスマートフォンマイナンバーカードの4点を手元に用意して、デジタル庁ウェブサイトから申し込みます。スマホには「GビズIDアプリ」をインストールすることとなります。審査を通れば数日で発行されます。

書類郵送申請の場合は、スマホ・マイナンバーカードを使わない代わりにプリンター、印鑑証明書などを使用することとなります。原則2週間以内に発行されるそうです。


このような記事をかいておきながらお恥ずかしいのですが、実は私自身もまだGビズIDを取得しておりません。正直なところ、開業から1年間は、必要性を感じませんでした。ただ、近い将来、利用範囲が税務手続にも拡大しますので、近々手続してみることといたします。

GビズIDについては、経済産業省のミラサポplusのウェブサイトが、マンガ付きで分かりやすく解説されています。ぜひご参照ください。
 https://mirasapo-plus.go.jp/hint/15697/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


【参考文献】
デジタル庁ウェブサイト
経済産業省ウェブサイト(ミラサポplus)
税務通信
村井志穂「総務担当者のための社会保険の電子申請ができるようになる本」(日本実業出版社、2024年)

徳田大輔

千葉県柏市の「ひとり税理士」です。財務コンサルと税務顧問により、経営者様をサポートいたします。会計ソフトはマネーフォワードを使用。マネーフォワードの導入支援や業務効率化支援を得意としています。

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