こんにちは。柏の葉税理士事務所の徳田大輔です。
いろいろな個人事業主の方の確定申告相談に応じる中で、「この方には『マネーフォワード クラウド確定申告』(以下、MF確定申告)をお奨めしたいな」と感じる場面が少なからずありました。
MF確定申告をお奨めしたいのは、次のような方です。
- 銀行口座やクレジットカードの取引を会計ソフトに手入力している
- 記帳作業を1ヶ月以上溜めこんでしまい、なかなか着手できない
- 確定申告書を手書きしている、税額を手計算している
- 従業員(バイト含む)を雇用しているが、源泉徴収税の計算がよく分からない
- 銀行口座が複数あって、残高確認を面倒に感じている
1) MF確定申告をお奨めする理由
①取引データが自動的に会計ソフトに取り込まれる
銀行口座(インターネットバンキング)の入出金やクレジットカードの経費支払
は、会計ソフトが自動で情報を取り込みます。
MF確定申告をブラウザ(Google Chromeが推奨されています)で立ち上げると、直近までの取引が表示されるので、仕訳をゼロから起こさなくてよくなるので、記帳作業の取り掛かりがずいぶん楽になります。帳簿残高が実際の残高と不一致を起こすことも、基本的にありません。
②仕訳が自動で生成される
入金・支払の相手先ごとに仕訳が自動で生成される(勘定科目が提示される)ので、取引データの大半について、「登録」ボタンを1クリックするだけで記帳が完了します。
初めての取引相手については、勘定科目を学習させる手間が発生しますが、2回目からはマウス操作のみで作業がスイスイ進みます。
③同一ソフト内で申告書を作成できる
ソフトの指示に従って必要事項(扶養親族や生命保険料など)を入力すれば、簡単に申告書を作成できます。会計データを修正して損益が変動した場合でも、1クリックで書面を更新できるので便利です。操作感は、国税庁「確定申告書等作成コーナー」と同等です。
作成した申告書データは、スマホアプリまたは国税庁e-Taxソフトで税務署に送信することができます。パソコンにe-Taxソフトをインストールするのが少々分かりづらいですが、これは国税庁に改良を促したいところです。
蛇足ですが、電子申告するか、税務署へ持参・郵送するかで、青色申告特別控除に10万円の差が生じます。税率5%の方でも納税額が5千円違います。デジタル化は時代の流れでもありますので、早く電子申告に慣れてしまいましょう。
④連携ソフトの使用により源泉徴収税の事務処理が簡単になる
MF確定申告を契約すると、MF給与、MF年末調整といった連携ソフトを使用することができます。従業員5名以内なら追加料金はかかりません。
月々の給与明細をMF給与で作成すると、源泉徴収税の納付書はほぼ自動的に作られます。いちいち手書きしなくても、紙を1枚印刷するだけで済みます。
年末調整においても、MF年末調整でMF給与のデータを取り込み、従業員様に扶養親族や生命保険料控除などの情報をアップロードしてもらえば、簡単に調整額が計算され、納付書や源泉徴収票が出来上がります。
⑤口座残高を一覧できる
プライベートを含め、複数の銀行口座を持っている方は、全てMF確定申告にデータ連携してしまいましょう。各銀行のウェブサイトを開かずとも、MF確定申告のみで残高を確認できるようになります。
プライベートの入出金は「事業主貸」「事業主借」に仕訳しておけば、事業の損益に影響しません。私は「事業主貸」に「食費」「教育費」「レジャー」などの補助科目を設定して、それぞれの支出額を把握しています。
2) MF確定申告の導入方法
マネーフォワード社のウェブサイトから申し込みましょう。無料期間・割引期間や商品券キャッシュバックなどの特典が受けられることもあります。
消費税の納税義務がなければ、まずは「パーソナルミニ」プランから始めても宜しいかと思いますが、①損益計算書の月次推移表・前期比較が閲覧不可②口座残高が閲覧不可(帳簿残高が適正か確認できない)といったデメリットがあるため、遅くとも決算時には「パーソナル」プランへ変更することをお奨めします。消費税の納税義務がある方は「パーソナル」プランが必須です。
2024年3月現在、「パーソナルミニ」プランは年額10,800円、「パーソナル」プランは年額15,360円です。
3) 導入時に気になること
①記帳が楽とは言っても--
銀行口座やクレジットカードの取引データが自動で取り込まれ仕訳が生成されると書きましたが、摘要欄には基本的に取引先名しか入力されません。必要に応じて取引内容を入力する必要があります。
②今年すでに途中まで記帳済みなんだけど--
現在お使いの会計ソフトで仕訳日記帳(今まで入力した全ての仕訳)をCSVファイルで出力し、MF確定申告にインポートすれば、年の途中からでも導入可能です。
③バージョンアップは必要なの?--
従来の買い切り型(オンプレミス型)の会計ソフトは、毎年、新バージョンの購入とアップロードが必要だったかと思いますが、クラウド会計ソフトではシステムの方で勝手にバージョンアップしてくれますので、ユーザー側で特別な操作を必要としません。パソコンを開くたびに「最新バージョンに更新しますか?」のお尋ね画面が表示されるわずらわしさがありません。
以上、個人事業主向けに、MF確定申告のメリットをご紹介しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました