こんにちは。柏の葉税理士事務所の徳田大輔です。
先月、千葉県税理士会の定期総会に出席して参りましたので、所感を述べさせていただきます。
1) 千葉県税理士会とは
税理士会は税理士法によって定められた特別法人で、全国に15の税理士会が組織されています。千葉県税理士会は、東京地方税理士会から分離独立する形で設立されたと記憶しています。
登録する税理士の数は約2500人で、東北税理士会(東北6県)とほぼ同規模です。
1都道府県のみを管轄とする税理士会は、北海道(約1900人)、東京(約24000人)、沖縄(約500人)、千葉の4つのみであり、人口や地理的要因を鑑みると、非常に稀有な例と言えます。
千葉県税理士会は、毎年6月に定期総会を開催し、事業報告や予算決定などを行っています。
2) 定期総会で私が注目したこと
①66%しか集まらないの?
千葉県税理士会に所属する税理士は約2500人。総会は過半数の出席および委任状をもって成立します。今回は、出席が約200人、委任状が約1500集まって、合わせて約66%となり、無事に成立いたしました。
裏を返すと、34%に当たる約850名が、総会の開催を「無視」したということ。急病や急用でやむを得ず欠席された可能性を差し引いても、多すぎるでしょう!
税理士業務が「無償独占業務」(無償であっても資格保有者以外が行うことを禁止されている業務)として護られているのは、税理士会が組織され、税理士の振る舞いが適正に統制されていると認められてのこと。その税理士会の運営に「無視」を決め込む人が多いのは、残念で仕方ありません。
なお、私の前職の税理士法人代表は、税理士業務に25年従事したことで表彰されていましたが、やはり表彰式には欠席されていました。事務所から30分で来れるでしょうが!! ミスター残念! (公平を期すために記すと、表彰者39名のうち出席者はわずか5名でした。)
②物故会員に黙とう!
総会の冒頭で、前年度中に逝去された税理士25名のために、黙とうが捧げられました。同業者団体の集会で、いわゆる「一般会員」に対してこのような儀式を行うのは、初めて接しました。
前年度に亡くなったのは、概ね70代から90代ですが、おひとり64歳の「現役世代」がいらっしゃいました。ほんの5年ほど前には会の要職に就いていた方らしく、まだまだ活躍が期待されていたはず。お気の毒に思います。
③後世から笑われないように
このような200人規模の集会では、割と参加者の発言は消極的となり、いわゆる「シャンシャン総会」になりがちですが、さすが一国一城の主たちの集まり。ただでは終わりません。
「1月下旬に届く会報誌に、羽子板やお節料理の意義を解説した『お正月特集』を掲載するのはいかがなものか。確定申告特集とか、繁忙期の体調維持についてとかを掲載するべきではないか。反省を促し、改善を求めたい」として執行部を正す意見は、なかなか新鮮でした。(笑)
興味深かったのが、税理士会館の建て替えに関する意見。「現在の会館は数十年後に建替えが予想されるが、会費値上げや建設金積立ての予定はあるのか」と問い、さらに「数十年後は仮想空間での会議が主流となり、会館を建設し対面で会議する必要はないかも知れない。後世から、なぜもっと本気で議論していなかったのかと笑われ、なじられることがないよう、今から真剣な議論を重ねるべき」と指摘されました。たしかに、前例踏襲ばかりでは進歩がありません。なかなか示唆に富んだご意見と感服いたしました。
3) 税理士の方へ
せめて委任状くらい出しましょうね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。