衆議院議員選挙です!

日常・雑感

こんにちは。柏の葉税理士事務所の徳田大輔です。
10月27日に衆議院議員選挙が行われることとなりました。
各政党から公約(一部は代表者見解)が出てきましたので、事業者の身近な税目である消費税、所得税、法人税に注目し、思うところを記してみました。

なお、本稿のニュース源の大部分は日本経済新聞の記事です。
私の理解不足や説明不足により党の主張を正確に反映できていない可能性がありますこと、ご承知おきください。


1) 各党の公約(抜粋)と私見

① 自由民主党 - 解散前258議席(55%)

・低所得者への給付を実施する。

・消費税率は当面上げない。

→ さすがに「定額減税」のような愚策の再現は勘弁してほしいですが、では「総括と反省はないのか、なぜ次は減税でなく給付なのか」と皮肉を言いたくなってしまいます。

② 立憲民主党 - 解散前98議席(21%)

・消費税の逆進性対策について、軽減税率制度に代えて中低所得者が負担する消費税の一部を税額控除し、控除しきれない分は給付する「給付付き税額控除」を導入する。インボイス制度は速やかに廃止する。

・所得税は勤労意欲の減退や人材の海外流出などの懸念に配慮した上で累進性を強化する。金融所得課税に超過累進税率を導入する。法人税は法人の収益に応じて応分の負担を求める税制に改革する。

→ 概ね賛成です。給付をテコにして、税と社会保障に関する手続のデジタル化を一気に促進してほしいと思います。

③ 日本維新の会 - 解散前41議席(9%)

・消費税を8%とし、軽減税率制度を廃止する。所得税・法人税を減税する。

・高齢者の医療費窓口負担を現行の「9割引」から原則「7割引」に見直す。年金は抜本改革して、世代間格差の生まれない積み立て方式または最低所得保障制度を導入する

→ 魅力的です。いろいろと痛みや課題は出てくるでしょうが、これくらい振れ幅の大きい政策を実行すれば、国民の意識に前向きな変革をもたらすような気がいたします。しかし、収支構造の明確なビジョンが示されないうちは、怖くて投票できないように思います。

④公明党 - 解散前32議席(7%)

→ 残念ながら、「衆院選重点政策MANIFESTO2024」を閲覧しましたが、税制に関する記載は「年収の壁解消」程度しか見受けられませんでした。

⑤ 日本共産党 - 解散前10議席(2%)

・消費税の廃止をめざし、当面税率を5%に引き下げる。インボイス制度も廃止する

・大企業の内部留保に時限的に課税し、10兆円規模の財源を確保する。中小企業の賃上げ支援を強化する

→ 消費税5%は喜ぶ国民が多いでしょうね。「内部留保に課税」は検討の余地があるかも知れませんが、「時限的に」は止めた方が良いと思います。税制を複雑にすると、税負担を逃れようとして、経営資源の浪費が増大するからです。

⑥ 国民民主党 - 解散前7議席(2%)

・「手取りを増やす」。消費と投資を拡大し、持続的な賃上げを実現する。所得税の基礎控除と給与所得控除を計103万円から計178万円に引き上げる。年少扶養控除を復活する。

・賃金上昇率が物価+2%に達するまで消費税5%に減税する。インボイス制度は廃止する。

→ 所得税の基礎控除と給与所得控除の合計を引き上げるのは賛成です。消費税5%は喜ぶ国民が多いでしょうね。果たして消費減税でどれだけ景気が浮上するかは分かりませんが、「壮大な社会実験」として興味はあります。しかし、やはり、財源は大丈夫なの?という不安が現時点では拭えません。

⑦ れいわ新選組 - 解散前3議席(1%)
・消費税は廃止し、インボイス制度の導入も撤回する。法人税の累進化、所得税の累進強化、金融資産課税などの導入を進める。

→ シンプルな税制を目指しているようで、好感は持てます。

⑧ 社民党 - 解散前1議席

・大企業の内部留保に4%課税、消費税率は3年間ゼロ。全国一律で最低賃金1500円に。非正規雇用の正規雇用への転換を促進。

→ 「3年間ゼロ」という時限措置は止めた方が良いと思います。税制を複雑にすると、税負担を逃れようとして、経営資源の浪費が増大するからです。


2) 感想

消費税の減税や廃止を求める国民の声は大きいですね。
財布から出ていく金額が明確に減少するので、家計的にも心理的にも影響は大きいでしょう。
政治家がこれに応えようとするのも分かります。

しかし、増税・減税を考えるとき、私たち国民は、消費税という断片的な情報だけを見て判断すべきではなく、所得税・法人税・社会保険料などの負担を総合的に把握し、また社会保障その他の享受すべき恩恵を総合的に考える必要があると思います。

国民一人ひとりが国家財政を総合的に考えるのは難しいですが、まずは裏金議員や裏金議員をかばったり隠したりするような政党に任せるのをやめましょう。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【参考資料】
日本経済新聞
各党のウェブサイト

徳田大輔

千葉県柏市の「ひとり税理士」です。財務コンサルと税務顧問により、経営者様をサポートいたします。会計ソフトはマネーフォワードを使用。マネーフォワードの導入支援や業務効率化支援を得意としています。

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