追われながら生きるということ

日常・雑感

こんにちは。柏の葉税理士事務所の徳田大輔です。
「正体」という作品について、感想などを記します。

 染井為人「正体」(2022年、光文社)
 映画「正体」(2024年)

この記事では、この2作品について、物語中盤までの内容に触れています。
先入観なしに作品を楽しみたい方は、読了(鑑賞)後に当記事をお読みください。


1) 作品のあらすじ

①染井為人「正体」(2022年、光文社)
小説版「正体」について、光文社ウェブサイトには次のように掲載されています。

埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄した!
東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、新興宗教の説教会、人手不足に喘ぐグループホーム……。
様々な場所で潜伏生活を送りながら捜査の手を逃れ、必死に逃亡を続ける彼の目的は?
その逃避行の日々とは?
映像化で話題沸騰の注目作!

②映画「正体」(2024年)
映画版「正体」について、松竹ウェブサイトには次のように掲載されています。

日本中を震撼させた凶悪な殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木(横浜流星)が脱走した。
潜伏し逃走を続ける鏑木と日本各地で出会った沙耶香(吉岡里帆)、和也(森本慎太郎)、舞(山田杏奈)そして彼を追う刑事・又貫(山田孝之)。
又貫は沙耶香らを取り調べるが、それぞれ出会った鏑木はまったく別人のような姿だった。

間一髪の逃走を繰り返す343日間。
彼の正体とは?
そして顔を変えながら日本を縦断する鏑木の【真の目的】とは。
その真相が明らかになったとき、信じる想いに心震える、感動のサスペンス。


2) この作品と私

ええ。心が震えました。
感動のサスペンスです!

ぜひ小説版→映画版の順番でご覧いただきたいです。
時間がない方は、映画版だけでも、ぜひご覧ください。

小説版は、480頁の長編です。
物語の大半が、主人公の周りの人の目線で語られ、群像劇の様相を呈しています。

映画版は上映時間120分にまとめられています。
概ね主人公を中心に物語が進みますが、登場人物や舞台設定に大幅なアレンジが加えられており、特に山田孝之演じる刑事が裏の主人公となっています。

小説版では、柏市のお隣、我孫子市の老人介護施設が舞台のひとつとなっており、「手賀沼花火大会」など身近な話題も登場して、思わずニヤリとさせられます。

  *  *  *

主人公は高校生のときに殺人犯として捕らえられ、死刑囚となり、二十歳過ぎで逃走。
指名手配され、人目を避けながら生きています。

私の生活実感としては、指名手配のポスターや報道を目にしても、よもや自分の周りにいるとは露ほども考えず、もし街で似たような顔と遭遇しても、通報はしないだろうと思いますが、皆さまいかがでしょう?
同じ職場で日々顔を合わす人が挙動不審かつ似顔絵に似ていたら、その時はさすがに警戒するでしょうか。


3) 追われながら生きるということ

実は先日、仕事で失敗をやらかしました(*)
与えた「損害」はそれほど深刻ではなかったですが、十人くらいの信頼を失いかねないものであり、「リカバー」まで10日ほどを要しました。

* 犯罪や税務上のミスではありません。礼を失したというか、ボタンの掛け違いがあったというか、私の力不足もあり……。「善意の第三者」にご迷惑をおかけしたのは事実です。

「リカバー」できるまでの間は、周りの目が気になって仕方ありませんでした。
当事者のみならず、オフィスで会う方々、ご近所の方々、道行く人々、クライアントなど、周りの全ての人から、糾弾され、後ろ指を指され、嘲笑されているような錯覚を覚えました。

そんなことがあるはずはないと分かっていても、気になって仕方がありません。
世間の目を気にして追われながら生きるというのは、こういうことかなと思いました。
そんな時期に小説版を読んだので、なお一層、主人公の境遇や心情に共感してしまったかも知れません。
失敗はなんとか「リカバー」して、面を上げて街を歩けるようになりましたが。

  *  *  *

主人公は、面を上げて歩けないような逃亡生活の中にあっても、懸命に周りの人、特に弱者に寄り添い、助けようとします(映画版では少しこの描写が弱いですが、小説版では行く先々で「お助け」しています)
助けられた人は、彼が逃亡死刑囚であることに衝撃を受け、戸惑いながらも、徐々に彼に対する考えを変えていきます。

正直に、真っすぐに生きていれば、必ず理解者が現れるということを、期待させてくれます。

  *  *  *

そして、「ぼくには時間がないんです!!」という主人公の叫びには、心を打たれました。
そう。私にも決して時間がたくさん残っているわけではありません。
やるべきこと、やりたいことを、どんどん前倒しで計画的にやっていこうと、決意を新たにした次第です。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

徳田大輔

千葉県柏市の「ひとり税理士」です。財務コンサルと税務顧問により、経営者様をサポートいたします。会計ソフトはマネーフォワードを使用。マネーフォワードの導入支援や業務効率化支援を得意としています。

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