こんにちは。柏の葉税理士事務所の徳田大輔です。
今日はFAQ(よくあるご質問)のひとつにお答えいたします。
【よくあるご質問】
事業を始めるにあたり、顧問税理士を探しています。税理士事務所は何を基準に選んだらよいですか？
【ご回答】
次の要素を軸に探してみてください。
・税理士事務所の規模が大規模か小規模か
・高い専門性が必要か
・対面での面談が必要か
・相性が合うか
1) 税理士事務所の規模が大規模か小規模か
世の中には、数百人規模の大規模事務所から、所長税理士1人とスタッフ数名で運営する小規模事務所、果ては私のような「ひとり税理士」まで、様々な税理士事務所(会計事務所)が存在します。
一般的な傾向として、大規模事務所の方がサービスの安定性が高い反面、柔軟性が低いです。つまり、定型的な仕事はそつなくこなしますし、トラブル時のフォローもスムーズですが、サービスが画一的・定型的になりやすく、「きめ細かさ」はあまり期待できないでしょう。
私は「ひとり税理士」として独立開業してから、顧問先の店舗を訪問して外装の改善策を提案したり、金融機関との融資相談に同行して成約に繋げたりしました。税理士法人に勤務していた頃は、時間的制約などから実行できていなかったことです。
2) 高い専門性が必要か
税理士の扱う仕事の中では、医療、子などへの事業承継(相続対策を含む)、M&A(特に事業買収)、国際税務は、高い専門性を必要とします。確実なサポートを求めるなら、これらの専門性を売りにしている税理士事務所を探すべきでしょう。顧問料が高くなることは避けられませんが。
また、輸出事業、投資事業(特にレバレッジ取引、仮想通貨など)、IT事業、相続税申告などは、特別に専門性が高いとは言えないものの、税理士(担当者)ごとに得手不得手がありますので、気になる場合は、これらに対応してもらえるかを確認しておきましょう。
私は、マネーフォワードの導入をサポートし、請求書発行、勤怠管理、給与計算、社会保険手続き、年末調整などについて効率的な業務体制の構築をお手伝いできることを強みとしています。これもひとつの専門性と言えるでしょう。
3) 対面での面談が必要か
コロナ禍を経て、ZOOMやGoogleMEETによるオンライン面談が一斉に普及したことにより、税理士事務所も遠隔地との顧問契約が珍しくなくなってきました。訪問しなくて良いことから、移動時間や交通費を節約でき、顧問料を抑えることができます。
対面での面談を必要としない方は、「全国対応可能」を謳う税理士事務所を探してみてもいいでしょう。IT技術に長じている傾向がありますから、DX推進の相談相手には打ってつけかも知れません。ただし、税務調査を受けたときに同席してもらえない可能性があるなどのデメリットは、十分確認しましょう。
私は、最低でも年1回、たいていは2-3ヶ月ごとに1回、お客様と対面でお会いするようにしています。オンライン面談では省略してしまうような雑談からお客様のことを深く知ることができたり、店舗や事務所を自分の目で見るからこそ分かること、感じることを大事にしたいからです。
4) 相性が合うか
やはり最後は税理士(担当者)との相性が重要となります。できれば対面で、少なくともオンライン面談で、税理士事務所と話をしてみましょう。自分の話を丁寧に聞いてくれるか、税務顧問のサービス内容を分かりやすく説明してくれるかは、受けるサービスの質に直結します。「悩みを相談しにくい」、「説明してくれるけど理解できない」では、税務顧問契約の価値が半減してしまいます。話してみて違和感を感じたときは、慎重になった方が良いでしょう。
気をつけたいのは、特に大規模事務所の場合、初回面談で応対する「エース級の営業マン」が、必ずしも顧問契約後に自分の担当者となるかは分からないことです。相性の合わない担当者をあてがわれる可能性があることは覚悟し、必要に応じて担当者の変更を申し入れましょう。その点、小規模事務所では、初回面談の相手(所長税理士など)が顧問契約後も対応してくれる確率が高いです(もちろん、誰が担当者となるのか、初めに確認しておきましょう)。
税理士事務所のウェブサイトがあれば、必ずチェックしましょう。特に所長税理士のブログ記事があれば、事務所の特色が如実に表れますから、良い判断材料になるかと思います。当記事を読んでいただいている時点で、説明無用かも知れませんが。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
