こんにちは。柏の葉税理士事務所の徳田大輔です。
当事務所はマネーフォワード(以下、MF)を基幹ソフトとしており、自身で活用するとともに、顧問先のお客様にお奨めしています。
MFクラウド会計(法人向け)およびMFクラウド確定申告(個人事業主向け)には、銀行口座、クレジットカード、電子マネーなどに加えて、ネット通販についても、取引データを自動的に取得できる機能が付いています。ネット通販とは、Amazon、ヤフオク、ASKUL、たのめーる、モノタロウなどによる買物です。
これが使ってみるととても便利だったので、ご紹介します。
1) データ連携の方法
銀行口座などと同様に、メニューの「データ連携」>「新規登録」から「通販」タブを開き、サービス名をクリックして「連携登録」します。スマホに届いたコードを入力してセキュリティーを解除するなど、ほんの2-3分の操作でデータ連携できるようになります。
続いて、期首から連携開始時までの取引データを取り込むこととなりますが、こちらは取引量や通信環境に応じて時間がかかる場合があります。直近の例では30分近く要しました。取り込み中は他の作業が制限されることもありますので、仕事時間の終盤でデータ取得することをお勧めいたします。
2) データ連携のメリット
MFにネット通販をデータ連携しなくても、領収証のダウンロードなどにより支払内容を確認できれば、会計帳簿を作成することは可能です。前職を含め70件以上の顧問先と関わってきたうちの9割以上がネット通販を連携されていませんでしたが、それでも記帳作業から確定申告書作成までの通常業務を支障なく行えていました。
ただし、銀行口座やクレジットカードのデータ連携によりネット通販で「何らかの支払」をしたことは分かっても、その内容や消費税率までは分かりませんから、お客様から領収証を取り寄せねばならず、手間がかかっていました。やむを得ず口頭確認で済ませたり、経費から外し個人的支出として処理したりすることもありました。
ネット通販をデータ連携すると、ネット通販の購入元、品名などが各仕訳の摘要欄に自動入力されますので、摘要欄を見ながら勘定科目を入力し、仕訳を登録することができます。
さらに、「証憑自動取得設定」をONにしておくと、ネット通販サイトが発行する領収書などをMF上でプレビュー表示でき、注文日、発送日、配送先、単価、数量などの詳細を確認することができます。これらの情報をお客様から聞き出すのは時間も気も使いますから、作業がずいぶん楽になります。
3) 利用上の注意点
身近にあった例ですが、同一の取引について、Amazonによる支払金額と、そのAmazonの支払を行うクレジットカードでの支払金額が、2円ほど異なる現象が複数回、発生しました。
原因は定かではありませんが、Amazonポイントやギフト券の使用状況だったり、販売業者と発送業者の取引状況だったりによって、差異が生じる可能性があるそうです。
具体的なイメージを示すと、次のような事象が発生します。
①Amazon連携から次の仕訳を登録
「仕入高 1,710/未払金(Amazon) 1,710」
②カード連携から次の仕訳を登録
「未払金(Amazon) 1,708/未払金(カード) 1,708」
そこで、本来なら打ち消し合ってゼロになるはずの「未払金(Amazon)」勘定が、残ってしまいます。
現在のところ、システム上、防ぐのが難しいようなので、取引ごと、あるいは月次決算時などの要所要所で、次のような仕訳を作成して調整する必要があるようです。
「未払金(Amazon) 2/雑収入 2」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。